【父が娘に語る経済の話】
この本は、ギリシャ危機の際、財務大臣をしていたヤニスさんが娘に経済を教える為に書かれたものです。
娘さんに向けて書かれたので、難しい言葉はなるべく使わずに書かれているので読みやすく、経済の本質がわかってくるのでオススメです!
経済学者だけに任せるのではなく、より良い社会の実現の為、みんなが経済についてしっかり意見を言おう!とヤニスさんは主張しています。
本書はとても面白く、自分自身も経済についてもっと勉強していきたいと思いました。
本の内容の中で、印象深かったことについて書いていきたいと思います。
「パパ、どうして世の中にはこんなに格差があるの?人間ってバカなの?」
これはヤニスさんが娘さんに聞かれた質問です。
子どもにこの質問されたら答えられるだろうか。以下、本書を読んで自分なりにまとめてみました。
結論を言うと余剰が格差を作った。
それを理解する為に格差が生まれた背景を見てみよう。
人類は最初、狩猟採集をして暮らしていた。
自然豊かな所では狩猟採集で生きていけたが、そうでない所は生きていく為に自ら農作物を作る必要があった。
農作物の生産によって余った食べ物(余剰)が生まれた。
狩猟採集で得た食べ物は保存できないので余剰は生まれない。小麦や米などの農作物は保存が効く為、余剰が生まれる。個人で保管するより皆んなで一つの所で保管するようになり、どのくらい保存したか記録する為に文字が生まれ、預けた証として通貨が誕生した。
みんなをまとめる支配者にたくさんの余剰がいくようになり、国家や軍隊が誕生した。支配者に余剰が集まることを正当化する為に宗教が生まれた。このように余剰によって様々な物が誕生して国が発展していくことになる。
つまり、その人が優れているからではなく、それぞれの暮らしている自然環境の違いから格差が生まれていった。
西洋人は元々優れているとか、差別を生む誤った考え方をしない為にも格差の生まれる背景を知るのは大切だと思う。
子どもは、いろんなことになぜ?と疑問を持つことが多い。それは大事なことでこれからも考えて進む人になって欲しい。
大人も世の中のことについて疑問を持って考えることが必要だと感じました。
今回は以上です。
是非、本書を読んでみて下さいください。
ヤニス・バルファキス『父が娘に語る経済の話』2019.ダイヤモンド社